性的同意アプリは「意味ない」?キロク運営会社が考える、セックスと法律について

性的同意アプリは「意味ない」?キロク運営会社が考える、セックスと法律について

私たちが性的同意サービス「キロク」を発表したとき、SNSやブログでは賛否が大きく分かれました。

アプリで同意しても意味がないのではないか

同意が文面に残っていることに一定の価値はあると思う

良くも悪くも反響が大きく、私たちもあらためて、責任感を持って運営に取り組んでいきたいと思った次第です。

この記事では、サービスに込めた願いをあらためてお話しさせていただきます。

「キロク」を使えば、本当に性被害を防止できるの?

結論からお話しすると、このサービスに残った記録だけで、加害や被害の証拠を訴えることは難しいと考えられます。

また、「密室で無理やり同意をさせられてしまう」というケースも心配が残るでしょう。

一方でキロクには、一定時間は同意を取り消す機能があります。

「無理やり言いくるめても、後で同意を取り消されてしまうかもしれない」というリスクがあるので、性犯罪に対するある程度の抑止力にはつながるというのが、私たちの考えです。

「キロク」を使えば、本当に加害者にさせられないで済むの?

先ほどと同じ理由で、このサービスで同意があるからといって、100%告訴に対抗できるものではありません。

ただし、「性行為の直前に合意していた」という事実から、同意か不同意かを判断する上で、間接証拠として役立つ可能性は高いです。

また、いわゆる美人局かどうかは、形式上の同意の有無だけでなく、共犯者との関係性やその行動など、さまざまな面から判断されます。

そのため、キロクはあくまでも「証拠のひとつとして利用できる」というサービスだとご理解ください。

そんなアプリのサービスは意味ないのでは?

「被害も加害も完全には防げないなら、サービスの意味がないのではないか」という指摘ももっともです。

しかし、私たちがこのサービスを通じて提供したいのは「法律上100%の安心」ではありません。

その場の雰囲気や関係性で流されやすい性行為と、論理で厳密に定義されている法律の間の橋渡しをするのが、キロクの役割だと考えます。

行為に及ぶ前に、一度冷静に考えるタイミングを持つこと。

自分の本心に向き合ったうえで、自分自身で選択をすること。

そのお手伝いができれば、私たちは嬉しいです。

自分の「性的同意」について、スマホで簡単に振り返ろう

キロクは、お手持ちのスマートフォンとQRコード機能を利用して、その場で簡単に性的同意の確認を取れるサービスです。

登録に必要な情報はメールアドレスだけなので、住所や氏名が漏れる心配もありません。

性的同意をきちんと行わず、意図せず加害者になってしまったり、被害者になってしまったりするケースは少なくありません。

自分の意思や心理状態を振り返り、パートナーとのすれ違いを防ぐために、ぜひ「キロク」を活用してみてください